仮想通貨のアービトラージ(裁定取引)っていう、リスク無しで確実に稼げる魔法のような取引方法があるって聞いたけど・・・
- ほんとうに儲かるの?
- リスク無し稼げるってサギなんじゃないの?
といった疑問はないでしょうか。
実際に仮想通貨のアービトラージについてググってみると、「実践できないような絵に書いた餅」的な手法が紹介されているウェブページがほとんどです。
仮想通貨の専門メディアですら、そういった役に立たないウソ情報を掲載しているのが実態です。
本記事では、リスクの低い取引手法であるアービトラージ(裁定取引)について、本ブログ管理人がアービトラージの経験をもとに、実践可能な手法をご説明いたします。
本記事の対象読者
- 仮想通貨のアビトラの実践的な手法が知りたい
- アビトラのメリット・デメリットが知りたい
アービトラージ(裁定取引)とは何か?
まずはアービトラージ(裁定取引)とは何か?という基本についてご説明していきます。
アービトラージ(裁定取引)とは「サヤ取り」である
アービトラージ(裁定取引)の意味について、wikiペディアを引用してみましょう。
裁定取引(さいていとりひき、英: Arbitrage)とは、金利差や価格差を利用して売買し利鞘(りざや)を稼ぐ取引のこと。サヤ取り(鞘取り)ともいう。
出展:wikipedeia
以上の説明をもう少しわかりやすくいうと、このようになります。
- あるモノが色々な場所(店とか取引所など)で売り買いされている
- それは場所によって、異なる価格で売り買いされている
- それを安いところで買って、高いところで売る
- その差額が利益になる
これは日常的に起きていることで、いわゆる「せどり」や「転売」も原理は同じです。
アービトラージ(裁定取引)は、株や為替などの世界で機関投資家も実際におこなっている取引手法です。
なぜ価格差(サヤ)が生じるのか?
価格差(サヤ)が生まれる背景には、必ず何らかの理由があります。
たとえば、情報・空間・時間などの格差がもとになってサヤが発生することは日常的に起きていますので簡単な例を見てみましょう。
格差の種類と発生するサヤの例
この表はスライドできます→
格差の種類 | 発生するサヤ |
情報格差 | ある実店舗100円で買えるものが、ネットでは200円で売れる
|
空間格差 | タイで1000円で買えるものが、日本では10000円で売れる |
時間格差 | 株式の現物と先物の価格は異なる価格で売買されているが、 いずれ同じ価格に収束する |
「サヤ」が発生する原因がなくなれば、当然ながらサヤもなくなります。逆に言えば、なくならないサヤがあれば価格差は保たれることになります。
仮想通貨のアービトラージとは?
仮想通貨の売買は、取引所(株で言えばネット証券のようなもの)に口座開設しておこなうのが一般的な方法で、「日本や世界中にある取引所で、それぞれ異なる値段で取引されています。
つまり、仮想通貨のアービトラージとは、仮想通貨の「取引所間での価格差(サヤ)」を利用して利ざやを稼ぐということです。
仮想通貨のアービトラージは、世界中にある取引所の価格差(サヤ)を狙う!
下のグラフは、ビットコインを売買できる2つの取引所AとBでの取引価格の推移を表しています。(縦軸は「ビットコイン価格」、横軸は「時間」)
取引所AとBのビットコインは、同じ価値のもののはずなので、価格差(サヤ)は広がったり縮まったりを繰り返しています。このとき、価格差が広がったときを「裁定タイミング」といいます。
上のグラフの「裁定タイミング」で
- 取引所Bでビットコインを買い
- 取引所Aにビットコインを送り
- 取引所Aでビットコインを売る
ということができれば、売り買いした2つの価格差があなたの利益になります。
しかし、ビットコインの送金には時間がかかるので、送金手数料がかかったりといった様々な問題があるので、そうかんたんには行きません。実践的には様々な工夫をして問題を解決していくことになります。
▼ビットコインの取引所間の価格差を確認したいときは、こちらの記事をご覧ください。
実践的な仮想通貨のアービトラージ手法
仮想通貨のアービトラージの原理を理解したとして、本当にそんなことができるでしょうか。
まずは、原始的なアービトラージの手法と欠陥についてご説明したあとに、その欠陥を改良した実践的な手法について解説します。
仮想通貨のアービトラージ手法①【原始的な方法】
もっとも原始的なアービトラージ手法について検討します。
原始的なアービトラージ手法
この表はスライドできます→
仮想通貨のアービトラージについてググった結果、上位に出てくるものはほとんどがこの方法です。
ですが、実際のところこの方法は絵に書いた餅なので、実践することはほぼ不可能です。
原始的なアービトラージの欠陥
欠陥① 価格差が発生しているのは数秒から数分という短時間がほとんどです。目視で価格差をチェックしたり、手動でビットコインの取引や移動をしているあいだにサヤはなくなります。
欠陥② 取引所Aで購入したビットコインの現物を取引所Bに送金するには、どんなに早くても数分かかりますし、場合によっては数時間かかることもあります。第一の理由と同じように、ビットコインの現物を移動しているようでは、サヤがなくなります。ビットコインを移動する間に価格が下落すると、大きな損失を出す可能性があります。
欠陥③ サヤが発生したときに即座にビットコインを購入するために、あらかじめ取引所Aと取引所Bに資金を置いときます。もし仮に1回のアービトラージがうまくいっても、取引所Bに資金が偏ります。次のアビトラに備えて、取引所Bから現金を銀行口座に出金して、取引所Aに入金しなければならなりません。この資金の移動にはそれぞれ手数料がかかるので、アビトラの利益の多くが削られます。
仮想通貨のアービトラージ手法②【実践的な方法】
一般的に説明されている仮想通貨のアービトラージには、上でご説明したような欠陥があるので、実践はほぼ不可能です。
そのため、以下のように実践するのが現実的な方法です。
実践的なアービトラージ手法
この表はスライドできます→
上に書いた操作を完了したとき、以下のように1万円の利益が出ていて、各取引所の資金にも偏りがありません。
取引所A | 1BTCを100万円で信用買い、101万円で売ってポジションを クローズしたので1万円の利益がでた。現金101万円が残る。 |
取引所B | 1BTCを101万円で信用売り、101万円で買ってポジションを クローズしたのでプラマイゼロ。現金100万円が残る。 |
実践的な手法の改良点
改良点① アービトラージツールを利用した自動価格チェックと自動売買にすることで、24時間価格チェックをしつつ、価格差が発生したら数秒の間に機会を逃さずに売買を完了できますので、サヤを逃さずに利益を確定できます。
改良点② 現物のビットコインを使っていたときは、取引所AからBに移動する時間がおおきなリスクでしたが、信用取引なら売りと買いの取引を同時に行えるので、価格変動リスクがありません。
改良点③ 信用取引をしているので、ポジションをクローズすれば資金の偏りは最小限に抑えられる。そのため、次の裁定機会が発生したら即座にアービトラージをすることができる。
アービトラージのメリット・デメリット
仮想通貨のアービトラージのメリットとデメリットについてご説明しますが、上でご説明した実践的な手法を前提とします。
アービトラージのメリット
アービトラージのメリットは、価格変動リスクを負わずに利益を確定できることです。
上でご説明した信用取引であれば、常にビットコインの信用売りと信用買いの数量が同じなので、仮にビットコインの価格が変動しても、その影響は相殺されます。
そのため、取引所AとBの価格差が発生した状態で、買いと売りの売買が同時に成立すれば、ほぼ確実に利益をだすことができます。
アービトラージのデメリット
アービトラージのデメリットは、自動売買ツールがないと実践が難しいという点(ハードルの高さ)があります。
合理的に考えると、利益を出せるような有益な自動売買ツールが5万円や10万円くらいで販売されているとは思えないので、自分で作成しなければなりません。
さらにいうと、アビトラができるほどの価格差が発生する取引所を見つけるには、複数の取引所について実際に調査したり、ほかのひとが気が付かないサヤ(例えば、ある取引所固有のスワップによる価格の歪みや海外取引所との為替による価格の歪みなど)を探すといった努力が必要になります。
つまり、アービトラージの仕組みを理解して、サヤが発生している可能性を検討・調査するために、プログラムとして実装する技術が必要になります。
ビットコインの積み立てサービスなら完全放置して投資ができます
▶ビットコインの積み立てサービスの運用実績を公開中!
まとめ
本記事では、仮想通貨のアービトラージの実践的な方法についてご説明しました。
これから始めてみようと考えているかたの参考になれば幸いです。
- 仮想通貨のアービトラージは実践可能な方法
- ただし手動での取引ではダメで、ツールを利用した自動売買が必須
- 現物ではなく信用取引によるアービトラージがより実践的
- 自動売買ツールを開発するのはハードルが高い
▶仮想通貨の基本的な投資方法についてはコチラの記事をご覧ください。