当ブログでは、仮想通貨のアービトラージという取引手法を使って、毎月どれくらい稼げるかという実践をしています。
今回は第2回目となる2019年8月の収益報告をいたします。
今後は定期的に月次報告をしていきますので、ご興味がある方はぜひお付き合いください。
- 仮想通貨のアービトラージで、いま稼げるのかどうかがわかる
- 仮想通貨のアービトラージで、実践するときのポイントがわかる
タップできる目次
仮想通貨のアービトラージ概要と戦略
【アービトラージとは?】
仮想通貨のアービトラージの手法については、また別で解説記事を書きたいと思いますが
概要をコチラの記事に書いています。
ご興味のあるかたは是非ご覧ください。
【仮想通貨のアービトラージ戦略】
わたしのアービトラージ戦略の概要について、ざっくり箇条書きします。
- 仮想通貨の中でも取引量の多い、ビットコインで行う
- 運用資金の効率をアップするために、利用する取引所は少なくする
- 裁定の収益を確保するために、取引手数料が安い取引所を使う
- ビットコインの取引は、プログラムによる自動売買で行う
- プログラム言語には、ナレッジの豊富さと習得の容易さからPythonを選定する
- 現物のビットコインを使うと資金効率が落ちるので、レバレッジの効く取引所を使う
- APIが公開されている取引所を使う
- APIが使いにくい
- 板形式での取引ができる取引所を使う
このあたりの戦略を真似して実践できれば、これから始める場合でも仮想通貨のアービトラージで収益をあげることができると考えています。
戦略の詳細については、また別途解説記事を書きたいと思います。
【アービトラージで利用する仮想通貨の取引所】
わたしが現時点でアービトラージで利用している取引所は以下の3つです。2019年8月からGMOコインもアービトラージで使い始めました。
Liquid by Quoine(リキッドバイコイン)
今国内で最も人気のある取引所といってよいかもしれません。安定した取引量があるので、アービトラージには比較的利用しやすいです。
Zaif(ザイフ)
取引所としての人気はあまりないですが、AirFXという『ビットコインの価格に準じた商品』の取引量が多いので、アービトラージの取引に使えます。
GMOコイン
国内では新しめの取引所です。現物取引に加えてレバレッジ取引ができ、しかも売買手数料が無料であるのは嬉しいです。APIも提供されていますのでプログラムでの自動売買も可能です。
2019年8月の運用成績サマリ
2019年8月の運用成績のサマリです。
先月の月次報告で、アービトラージの機会を増やすためにGMOコインの利用を検討すると書いたのですが、実際にGMOコインを取引所に追加しました。ただし、GMOコインでは法人口座開設できないので、個人口座として開設する必要があります。
そのため、2019年7月までは法人口座でアービトラージをしていたのに加えて、2019年8月からは、個人口座でもアービトラージを実践しています。
- 法人口座:Liquid、Zaifの2取引所でのアービトラージ
- 個人口座:Liquid、Zaif、GMOコインの3取引所でのアービトラージ
※個人口座は2019年8月からの運用
それでは、「法人口座」と「個人口座」のそれぞれの収益性の違いなども含めて、8月の収益報告をします。
【2019年8月のアービトラージ収益サマリ】
2019年8月は、法人口座と個人口座あわせた月次収益が \1,015,274 となりました。先月に比べると、マイナス7万円(10%の収益減)です。
下の表は、2019年7月以降の法人口座と個人口座のそれぞれの月次収益です。8月は口座間で運用資金を移動しています。

法人口座の日次収益について
下の表は、法人口座の日次の集計表です。

8月前半は好調ですが、8月後半はビットコインの価格変動が小さくなってきたので、アービトラージの機会が激減しました。その結果として、8月後半の利益率も一気に低下してしまいました。
上の表をグラフにしました。8月中旬に個人口座に一部資金移動するために出金しているので、運用資金が減っていますが運用損失ではありません。

個人口座の日次収益
続いて、個人口座の日次の集計表です。
個人口座と法人口座との違いは、以下の2点です。
- 運用資金が少ないこと
- GMOコインをアービトラージ取引所に加えていること

収益の結果を法人用口座と比較してみると、月次での利回りが2倍近くになりました。日次の最高利回りも8/6に最高4.54%を記録しています。
上記の表をグラフ化してみました。GMOコインを追加した方がアービトラージの収益性が明らかに高くなること分かったので、8/21頃に法人口座から(適切な会計処理をして)個人口座に資金を移動しています。

やはり法人口座の時と同じように、8月前半の好調に比べると後半は不調です。8月はトータルで月次利回り50%弱となりました。
2019年8月運用実績の寸評
8月に実施したことやその効果、仮想通貨市場の市況などを踏まえて考察してみます。
2019年8月は前月に比べて収益が落ちた
8月は7月に比べて10%程度収益が落ちました。
8月後半にビットコインの値動きが完全に死んでいたことが原因です。
仮想通貨のアービトラージでは、取引所間でのビットコインの価格の差(サヤ)が「収益の源泉」なので、ビットコインの値動きが小さくなって価格が安定すると、収益源のサヤが発生せず裁定機会も極端に減ってしまいます。
そして、ビットコインの値動きが無くなると、取引所の板注文が薄くなる、Bid/Askのスプレッドが広くなる、という結果になり益々収益性が悪化します。
以上から、8月の収益悪化要因を以下のように考えました。ビットコインの値動きが無くなることについては、個人で対策できることはありません。
8月以降、ビットコインの値動きが死んだことと下落基調だったことによって、以下の3つの状態になり収益が悪化したと考えます。
- 取引所間の価格のサヤが発生しなくなった
- 取引所の板が薄くなる
- 取引所のBid/Askのスプレッドが広くなる
GMOコインをアービトラージ取引所に加えた結果、裁定機会がかなり増えた(個人口座のみ)
7月の収益報告にも書きましたが、Liquid/Zaifに加えてGMOコインを追加することを検討していました。
ところが、GMOコインは法人口座の開設ができないので、仕方なくLiquid/Zaifとともに個人口座で8月からあらたにアービトラージを開始したわけです。
結果としては、法人口座に比べてかなり収益率が高くなりましたが、その要因を以下のように考えています。
3取引所でアービトラージしている個人口座が、2取引所でアービトラージしている法人口座よりも収益率が2倍近くになった理由は以下の3点にあると考えられます。
- 運用資金が少ないので資金をフルに使い切っていること
- GMOコインとZaifの価格差(サヤ)が思った以上にあるので、裁定機会が2倍くらいに増えたこと
- GMOコインのAPIが公開されて間もないので、まだアービトラージの競合が少ない(と思われる)こと
法人口座の収益の落ち込みを、個人口座で何とかカバーできました。仮想通貨市場が今後低迷していくならば、運用資金の振り方を考える必要がありそうです。
収益を伸ばしていくにはどうすればよいか?
アービトラージする取引所を更に追加することができるか?
アービトラージする取引所を増やすことは、裁定機会を増やすことにつながる可能性はあります。しかしその一方で、運用資金を広く薄く配置することになるので、資金効率が悪化する可能性があります。
アービトラージに使える取引所としては、本記事の冒頭に書いた通りの条件が必要になるので簡単に増やすことはできません。
そのため、もし今後アービトラージするのにふさわしい条件の取引所が出てくれば、自動売買プログラムに取引所を追加する、ということが今後の対策になります。
アービトラージ以外の収益戦略を考えるか?
8月は収益が悪化しましたが、アービトラージという戦略で、なおかつ市況が悪い中で月次収益20%程度を維持しているのは「むしろ大健闘」と言えると思います。
ですので、仮想通貨という場で戦い続けるならば、アービトラージ以外の新たな戦も考えた方がリスクヘッジになるかもしれません。
例えば、以前少し挑戦してうまくいかなかったのですが「mmbot」と呼ばれるタイプの自動売買botも、もう一度トライする価値があります。
というわけで、9月は新たな戦略を練るための情報収集の月にします。
2019年8月に実施した主なプログラム改修ポイント
8月にプログラムの改修をいくつか行ったなかで、特に効果が大きかったものについてまとめます。7月に大まかに開発していた機能を8月に実装したといった感じです。
- 第3の取引所として『GMOコイン』を含めるように機能を追加
- 取引所間の運用資金のバランスを自動的に補正する機能を追加(Zaif/Liquid間のみ、GMOコインは未対応)
2019年9月の目標はアービトラージ以外の戦略の情報収集
9月の目標は、次回の報告時に達成度合いを報告したいと思います。
【定量目標】
- 1か月の月次収益を維持する
- GMOコインに自動的に資金を移動する機能を追加する
【定性目標】
- アービトラージ以外の戦略の情報収集をする
まとめ
2019年は5月くらいからビットコインが盛り上がり始めましたが、長続きせずに8月で一旦収束した雰囲気があります。サラリーマンが夏のボーナスをつっこんでいた影響で、一時的に盛り上がっていたのかもしれません。
中々厳しい市況ではアービトラージだけではどうすることもできないので、こういう時こそ「ブログ」や「FX」など他の収益化方法も含めて、チャンスを広げることに時間を使うべきだと思いました。
よろしければ次回もぜひご覧ください。