初心者が仮想通貨への投資を始めるときに気になるのが、「販売所」と「取引所」の違いではないでしょうか。
- 販売所と取引所の違いってなに?
- どっちで仮想通貨を買えばいいの?
- どっちで買ったほうがお得なの?
なんて疑問があるかもしれません。
「販売所」と「取引所」は似たような言葉ですが、じつは全く別のものです。知らないで仮想通貨の売買をしてしまうと、大きな損をしてしまいますので注意が必要です。
本記事では、初めて仮想通貨を取引する前に知っておくべき、「販売所と取引所の違い」についてご説明します。
本記事の要約
- 販売所のスプレッド(売値と買値の差)は、すべて仮想通貨業者の見えない手数料である
- スプレッドが大きい販売所での売買は、莫大な手数料を支払っているのと同じである
- 売買する時は、必ずスプレッドが小さい「取引所」を利用すること
タップできる目次
仮想通貨の取引所には2種類の意味がある
仮想通貨の「取引所」という言葉は、一般的には2種類の意味で使われています。
取引所という言葉は、以下の2つの意味で使われます。
- 仮想通貨のサービス業者
- 仮想通貨の売買方式
「取引所」は、仮想通貨を売買するサービスを提供する「仮想通貨業者」を指すことが一般できです。たとえば、国内で有名なところでは・・・
- 「Zaif(ザイフ)」
- 「Coincheck(コインチェック)」
- 「biyFlyer(ビットフライヤー)」
などがあります。テレビCMもやってますので、ひとつくらいは聞いたことがあるかもしれません。
一方で、「取引所」という言葉は、仮想通貨の売買方式を指すこともあります。とても紛らわしいですね。
「販売所」とセットで使われている時は、こちらの売買方法のことであると理解しておきましょう。
本記事では、後者の仮想通貨の売買方式についてご説明いたします。
売買方式「販売所」「取引所」の違いとは?
「販売所」「取引所」は、仮想通貨を売り買いする方式を指す言葉です。
国内大手の取引所であるGMOコインでは、両方の方式を提供していますので、実際に取引の画面を見ながら違いについてご説明しましょう。
【販売所】の特徴を解説
下の画面は、GMOコインの「販売所」方式のビットコインの取引画面です。
Webブラウザやスマホアプリで注文操作することで、ビットコインを売買することができます。

この「販売所」方式の3つの特徴についてご説明します。
販売所の特徴1.
購入価格と売却価格の2つの価格が提示されているのが特徴です。FX(外国為替証拠金取引)の売買方式と同じなのでご存じの方もいるかもしれません。
これを「2WAYプライス方式」といいます。
もし仮に、上の画面の瞬間にビットコインを売買するなら・・・
- ビットコイン1BTCあたり2,040,078円で買える
- ビットコイン1BTCあたり1,960,074円で売れる
となります。
上の画面の「購入価格と売却価格の差」のことを「スプレッド」と言います。スプレッドは、重要な言葉なので必ず覚えておきましょう。
販売所の特徴2.
売買するときには意識をしないかもしれませんが、販売所の取引相手は仮想通貨業者となります。カジノに例えるなら、ディーラーと取引をしていることになります。
販売所の特徴3.
売買の価格は仮想通貨業者が自由に提示していて、一般的にスプレッドは数万円と高額になります。
- 販売所の売買は2WAYプライス方式(FXと同じ)
- 取引の相手は仮想通貨業者
- スプレッドは仮想通貨業者が勝手に決める
【取引所】の特徴を解説
つぎは、仮想通貨の売買方式のひとつである「取引所」方式についてご説明します。
下の画面は、GMOコインの取引所方式の画面です。ビットコインの売買価格が提示されています。

「取引所」方式の3つの特徴についてご説明します。
取引所の特徴1.
取引所の特徴は、画面左側のような「板」を介して取引をすることです。板とは、取引の参加者同士の売値と買値を「マッチングするための取引場所」になります。
これを「板寄せ方式」といいます。
もし仮に、上の画面の瞬間にビットコインを売買するなら・・・
- ビットコイン1BTCあたり2,022,390円で買える
- ビットコイン1BTCあたり2,020,650円で売れる
となります。
売買の価格差「スプレッド」は、1740円という計算です。販売所のスプレッドが8万円もあったのに比べると桁違いに小さいですね。
取引所の特徴2.
取引の相手は、取引の参加者同士です。あなたと同じように口座を開設したひとと板を介して取引をするということですね。フリマアプリでものを売り買いしているのと同じような感覚です。
取引相手が仮想通貨業者となる「販売所」方式とは対照的ですね。
取引所の特徴3.
取引参加者が希望する売値と買値が板に並び、その結果としてスプレッド(売りと買いの価格差)が決まります。スプレッドは、「参加者の数」「取引手数料」「値動きの大きさ」によって変わってきますが、国内の取引所では、数円〜数千円の間で変動することが多いです。
- 取引所の売買は板寄せ方式(株式と同じ)
- 取引の相手は「取引の参加者同士」
- スプレッドは板寄せの結果として決まる
販売所と取引所の比較まとめ
これまでのご説明をもとに、両者の特徴を比較してみましょう。
▶この表は右にスライドできます
販売所 | 取引所 | |
売買方式 | 2WAYプライス | 板寄せ |
取引相手 | 仮想通貨業者 | 取引の参加者同士 |
スプレッド | 大きい | 小さい |
この2つの売買方式でもっとも重要な違いは、スプレッドの大きさです。
両者の大きな違いは、スプレッドの広さ
販売所のスプレッドは「仮想通貨業者の手数料」である
販売所の取引手数料がゼロ円であることをアピールしている仮想通貨業者もありますが、絶対にだまされてはいけません。
ボランティアでサービスを提供しているわけではないので、必ずどこかで手数料をとっています。
スプレッドとは手数料そのものです。
たとえば、仮にいま1BTCを購入して、すぐに売却することをイメージしてみてください。上の画面の価格で取引をすれば、一瞬で約8万円の損失がでてしまいますね。。
この8万円の損失がどこにいったかというと、全額が仮想通貨業者の利益になります。スプレッドとは「手数料」そのものです。よく理解していない初心者から法外な手数料をとる仕組みになっています。
「スプレッド」=「取引参加者の損失」=「業者の利益」
スプレッドが大きければ大きいほど、取引の参加者は「取引を始めた瞬間に」損失を被ることになりますので、スプレッドは小さいほうが有利になります。
販売所は、スプレッドが数万円という法外な設定になっていますので、絶対に利用してはいけません。必ず取引所で売買をするようにしましょう。
同じ理屈で、スプレッドが大きい取引所よりもスプレッドが小さい取引所で売買をするほうが有利になります。頻繁に売買する場合は、少しでもスプレッドが小さい取引所を選びましょう。
- 販売所のスプレッドは、仮想通貨業者の手数料である
- スプレッドが大きいほど損をする
- 売買はスプレッドが小さい「取引所」を利用すること
まとめ
本記事では、仮想通貨の売買方式である「販売所」と「取引所」の違いについてご説明しました。
両者の違いをよく理解して、思わぬところで損をしないように注意しましょう。
- 販売所のスプレッド(売値と買値の差)は、すべて仮想通貨業者の見えない手数料である
- スプレッドが大きい販売所での売買は、莫大な手数料を支払っているのと同じである
- 売買する時は、必ずスプレッドが小さい「取引所」を利用すること