仮想通貨の売買価格を注意深くみていると、取引所ごとに価格の差があることがわかります。
この価格差(サヤ)があることを利用して、安い取引所で買ったものを高い取引所で売ることで、差額を利益にすることができます。これをアービトラージ(裁定取引)といいます。
アービトラージで利益ををだすためには、「稼げるパターン」を理解しておくことが重要になります。
本記事では、仮想通貨の取引所ごとの価格差で稼げる4つのパターンについてご紹介します。
本記事の要点まとめ
- 価格が安い取引所・高い取引所には傾向がある
- FXの価格は「ゆるく」現物価格と連動するので、逆にアービトラージのチャンスになる
- 日本と海外の取引所は、為替による影響で価格差が発生する
- ビットコイン以外の仮想通貨は、アービトラージのライバルが少ない
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アービトラージは価格差(サヤ)を調査することから始まる
仮想通貨のアービトラージで価格差(サヤ)を抜いて稼ぐためには、そうなる前から価格差を調査しておくことが必要です。
価格差を調査するときに、以下の4つのパターンを意識しておくことで、価格差が広がる理由や傾向をつかむことができるようになりますので、アービトラージを有利に進めることができます。
稼げるパターン1.取引所間の価格差
もっともオーソドックスなのが、取引所間の仮想通貨の価格差で稼ぐ方法です。
なぜ取引所によって価格差が開くのかというと、システムの処理性能や取引ルールに違いがあるために、それが仮想通貨の価格差になることがあるからです。
いくつか具体的な例でご説明します。
①相場の急変時の価格差
相場の急変時には、一般的に取引の出来高が増えてシステムへの負荷が増えます。その結果、取引所のシステムの処理能力が追い付かなければ、相場の変動についていけず、ほかの取引所から価格が取り残されることがあります。
たとえて言うなら、昔テレビ番組で「30人31脚」というのをやっていましたが、処理性能の低い取引所というのは、足の遅い人のようなものです。足の速いひとに置いて行かれ、引っ張られるようになります。
日本の取引所では、zaif(ザイフ)のシステムでよく起こります。相場の急変時にはなかなか注文が通りません。
②取引ルールによる価格差
取引所によっては入金したお金を1週間移動できないというルールを定めているところがあります。こういった独特なルールが取引所間の仮想通貨の価格差の原因になることがあります。
たとえば、取引所間でビットコインの価格差が発生すると、以下の手順を踏むことで価格差(サヤ)が収益になります。手動でのアービトラージです。
- 安い取引所にお金を入金
- 安い取引所でビットコインを購入
- 高い取引所にビットコインを送金
- 高い取引所でビットコインを売却
- お金を銀行に出金
このアービトラージの結果、取引所のビットコインの価格差は徐々に小さくなっていき、やがて収束します。
しかしながら、取引所に入金したお金を1週間移動できない縛りがあった場合、高い取引所にビットコインを移動できません。アービトラージは、失敗におわりますので、取引所の価格差はなかなか収束せずに開いたままになります。
どうすればアービトラージが成立するかというと、あらかじめ資金を置いておけば解決します。
価格が安くなる取引所・高くなる取引所には傾向があります。価格が安くなる取引所にあからじめ資金を置いておけば、資金ロックを回避したアービトラージが可能になります。
価格が安い取引所・高い取引所には傾向がある
稼げるパターン2.「現物」と「レバレッジ取引・FX」の価格差
仮想通貨の取引は、大きく分けて「現物」と「レバレッジ・FX等」に分けることができます。
ビットコインの取引であれば、現物は「ビットコインそのもの」を売買することなので、買いからしか入ることができませんが、現物はほかの取引所や自分のウォレットに移動することができます。
一方でビットコインのレバレッジ取引やFXで売買しているものは、ビットコインの派生した別の商品であって、ビットコインそのものではありません。
FXなどはビットコイン現物ではないので、本来は価値のない電子的な記号でしかないのですが、ビットコインの価格に近付けるためにひと工夫をすることで、価格が連動するようになっています。
たとえば、bitFlyer(ビットフライヤー)のFXの場合は「SFD」という仕組みがあり、zaif(ザイフ)のFXであれば「スワップ」があるために、現物価格と連動するようになっています。※逆に言えばそういった仕組みがないFX取引などは、現物と価格が連動する理由がありません
この現物とレバレッジ・FXとの間で価格を連動させる仕組みも完ぺきではないので、両者の間には価格差ができます。
このように、両者の間でゆるーく価格が連動して、いい感じでサヤが広がったり・縮まったりすることが、アービトラージにとっては好都合な取引機会が発生となります。
FXの価格は「ゆるく」現物価格と連動するので、逆にアービトラージのチャンスになる
稼げるパターン3.日本の取引所と海外の取引所の価格差
為替の変動は、日本と海外の取引所の価格差の原因になります。
1ドル120円のときに、1BTCの価格が1万ドルのときは、日本円で120万円になります。もしこれが、1ドル121円になった場合、1BTCが1万ドルのままであっても、日本円では121万円になります。
このように、日本と海外の取引所では、為替の影響によって常にビットコインの価格が変動しているわけです。
日本と海外の取引所は、為替による影響で価格差が発生する
稼げるパターン4.ビットコイン以外の仮想通貨の価格差
仮想通貨の取引は、大部分がビットコインに集中していますので、アービトラージをするときも基本はビットコインに狙いを定めます。
しかし、ほかの仮想通貨でもある程度の出来高がある場合は、アービトラージができる可能性があります。ライバルも意外に少ないために稼ぎやすいこともあるので、価格調査をしてみるとよいでしょう。
ビットコイン以外の仮想通貨は、アービトラージのライバルが少ない
まとめ
本記事では、仮想通貨の取引所ごとの価格差で稼げる4つのパターンについてご紹介しました。
仮想通貨の世界は株や為替に比べて、まだまだ素人でも稼げる状況が続いています。
いまのうちに参入して稼いでおけば、将来の資産形成につながるでしょう。
- 価格が安い取引所・高い取引所には傾向がある
- FXの価格は「ゆるく」現物価格と連動するので、逆にアービトラージのチャンスになる
- 日本と海外の取引所は、為替による影響で価格差が発生する
- ビットコイン以外の仮想通貨は、アービトラージのライバルが少ない