ドルコスト平均法や積立投資という資産運用は、最近は特に人気がある投資方法ですよね。
少しずつ増えていく資産を見るのは、楽しいものです。
ところで、この先もずーっとコツコツと積み上げていったあと、運用資産を売却するときのことをイメージしたことはあるでしょうか。
いざ考えてみると・・・
- 積立投資の出口戦略はどうすればいいの?
- どんなタイミングでどれくらい売ればいいの?
といった疑問はないでしょうか。
本記事では、ドルコスト平均法や積立投資で築き上げてきた「運用資産の出口戦略」についてご説明します。
本記事の要点まとめ
- リターンを最大化したいなら、必要なときに必要な量だけ売る
- 十分な資産を確保したいなら、リスク資産から安全資産に組み替える
タップできる目次
ドルコスト平均法が「リスクを分散できる」という勘違い
ファイナンシャルプランナーやマネー雑誌などがよくオススメしているのが、ドルコスト平均法。
本記事の読者ならご存知のとおり、「一定の金額ずつ小分けにして、時間を分散して投資し続ける」という運用方式のことです。
特徴としてよく言われるのは、時間を分散することで「投資のリスクを分散する効果」があるというものですが、これは論理的に間違っています。
以下の記事の中で参考論文のリンクも掲載していますので、ご興味のある方はご覧ください。
もし仮に、「リスク運用してもOKなまとまった資金」が手元にあるならば、最も合理的な投資方法(一定のリスクに対してリターンを最大化する方法)は、できるだけ早く一括投資することです。
この考え方は、出口戦略を考える上でも有効です。
手元資金のリターンを最大化するための運用方法は、一括投資です。この考え方は「出口戦略」においても有効です。
ドルコスト平均法の出口戦略・売るタイミングとは?
さて、ここからがこの記事の本題です。
積み上げてきた運用資産を「どのタイミング」で「どのくらい」売却すればよいか
という点についてご説明します。
投資の基本は「安く買って・高く売ること」だというが出口戦略において有効なのか?
投資の基本は、「安く買って・高く売ること」と言われますよね。
それでは、投資商品の価格が高くなった時に売り抜けるのが最適な出口戦略なのでしょうか。
答えは「ノー」となります。
なぜなら、いまの投資商品の価格が安いのか・高いのか、将来上がるのか・下がるのかは誰にもわからないからです。
ですから、実際にはそんなことをデキる人はいません。
もし仮にそれが出来るならば、ウォーレン・バフェットに負けないくらいの大資産家になっていることでしょう。
投資している金融商品の未来の価格はだれにもわからない
運用資産のリターンを最大化するなら、できるだけ長く投資する、必要なときに必要な量だけ売る
わたしたち個人投資家にとって、期待リターンを最大化するのはどんな方法でしょうか?
それは、運用資金を投資に回すときと同じ理屈で、できる限り長い期間、投資し続けることです。
自分の生活やライフプランに合わせて、お金が必要なタイミングで、最低限の必要な量だけを売却します。
「購入時に〇〇円で買ったから、まだ売りたくない」とか、「これから暴落しそうだから売却しておこう」といった感情に流される運用は、適切とはいえません。
必要なときに、必要な量だけ売るのが最適解
今後の運用リスクを減らしたいなら、リスク資産の一部をまとめて売る
もちろん、リターンの最大化を目的としないならば、リスク資産の一部をまとめて売っても構いません。
たとえば、70歳、80歳と年を重ねるにつれて・・・
「これ以上は資産を増やさなくてもOK」
「資産が半分になるような事態だけは避けたい」
と考えるようになるかもしれません。
そういったときは、リスクとリターンのバランスを変えるために、投資のアセットアロケーション(資産配分)を見直しましょう。
リスク資産を売却して、現金や債券などの安全資産の割合を増やすとよいでしょう。個人のライフプランに合った選択といえるでしょう。
▼アセットアロケーションの見直しに関する記事はこちらをご覧ください。
ただし、「確定拠出年金」や「つみたてNISA」のような制度を利用しているかどうかによって、売却益に対する税金の額が変わってきます。
税金や手数料などの条件を考慮しながら、ポートフォリオを変更しましょう。
まとめ
本記事では、ドルコスト平均法などで積み上げて資産の出口戦略についてご説明しました。
投資信託などで積立をしているなら、資産を売るのはまだまだ先のことかもしれません。いまの段階では、何となくでも道筋をイメージしておくとよいかもしれません。
- リターンを最大化したいなら、必要なときに必要な量だけ売る
- 十分な資産を確保したいなら、リスク資産から安全資産に組み替える