「不動産投資」と聞いてどんな物件をイメージしますか?
不動産物件の種類には色々ありますが、例としていくつか挙げてみるましょう。
- アパート1棟
- マンション1棟
- 区分所有マンション
- 一戸建て
主な選択肢は、こんなところですね。
しかし、初めての不動産投資なら・・・
「リスクが少ない方法で始めたい」
「初心者でも失敗しない物件がいい」
と考えるのではないでしょうか。
そんな初心者に1件目としてオススメしたいのがズバリ戸建て!
不動産投資には戸建てのイメージはあまりないかもしれませんが、破綻リスクの低い物件としてとても有力な選択になります。
本記事では、不動産投資の初心者に「一戸建て」をおすすめする5つの理由についてご説明します。
本記事の要点
- 一戸建ては、価格下落リスクが低い
- 一戸建ては、ランニングコストが低い
- 一戸建ては、空室リスクが低い
- 一戸建ては、売りやすい(出口戦略)
- 一戸建ては、リフォームをすれば何年でも住める
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おすすめ理由1.築古の戸建ては価格下落リスクが低いので失敗しにくい
狙い目は築古の戸建て
不動産投資の初心者がまず心配するのは、「購入した物件の価値が下がったらどうしよう」という不安ではないでしょうか?
もし仮に、購入した物件を賃貸に出して空室が埋まらないとしても、元と同じくらいの価格で売ることができれば、大きな損失にはなりません。
ところが、購入時と同じくらいの価格で売れなければ、物件の値下がり分(キャピタルロス)だけ損失が大きくなります。
戸建て物件は「価格下落リスクが低い」ので、不動産投資で失敗する確率が低くなるというわけです。
特に狙い目なのは、「築古の戸建て」です。
築古の戸建て物件の価格が安く安定する理由
築30年くらいの築古の戸建て物件のいいところは、価格がほぼ下がりきって安定しているところです。
その理由は、戸建て物件と区分所有マンションの価格構成の違いを考えればわかりやすいでしょう。
戸建てとマンションの価格構成の違い
- 戸建て=土地が大きいので価値が高い、建物は木造なので価値が低い
- 区分マンション=土地は小さいので価値が低い、建物は鉄筋コンクリートで価値が高い
不動産の特徴として重要なことは、「土地は使っても価値が目減りしない」ことと、「建物は使えば価値が目減りする」という性質です。
この2つの性質を戸建てと区分所有マンションに当てはめて考えてみます。
戸建て物件は、価格の中で土地の値段が占める割合が大きいです。築年数が経つと建物価格はほぼゼロになりますが、土地の価格は変わらないので「物件価格=土地の価格」で安定します。
一方の区分所有マンションは、物件価格の中で建物の値段が占める割合が大きいです。築年数が経つと建物の価格はゼロ円に近づいていきますので、物件価格は築年数とともに下がり続けるわけです。
戸建て物件は土地の価値が高いので、築30年くらいで価格が安定する
おすすめ理由2.築古の戸建てはランニングコストが低いので失敗しにくい
築古の戸建て物件の良いところは、ランニングコストが少ないことです。
区分所有マンションと戸建てで、ランニングコストがどれくらい違いがあるか、下の表で比較してみましょう。
戸建てと区分所有マンションのランニングコスト比較
下の表は、戸建てと区分マンションで、一般的に必要になるランニングコストをまとめたものです。
▶この表は右にスライドできます
賃料7万円の 区分所有 マンション | 賃料7万円の 戸建て | |
賃貸管理費 | 要 | 要 |
建物管理費 | 要 | 不要 ※1 |
修繕積立金 | 要 | 要 ※2 |
固定資産税 | 要 | 要 |
火災保険等 | 要 | 要 |
ポイントは2つあります。
1つ目のポイントは、建物管理費です。
これは、マンションの管理組合や管理組合から委託した業者が建物を管理するために使う費用です。管理人の費用や共用部分のランニングコストなどに使われます。
たとえば、ジムなどの設備が豪華なタワーマンションでなくても、月に1万円〜2万円くらい必要になることが多いです。
2つ目のポイントは、修繕積立金です。
マンションというのは、建物全体を維持するために、屋上の防水や外壁塗装などを定期的に行う必要があります。修繕積立金はそういった「マンションの将来の修繕」のためにストックされるお金です。このお金は、毎月一定の金額を「強制的に拠出」しなければなりません。
戸建てでも10年や20年に1回くらいは、大きめの修繕が必要になるかもしれません。しかし、自主的に自分の銀行口座にストックしておけばよく、緊急時にお金を有効に利用することもできます。
区分所有マンションは建物管理費と修繕積立金が月に数万円必要になる
賃貸経営にとっては高いランニングコストは破綻への第一歩
本ブログ管理人も、区分所有マンションと戸建て物件を何戸も購入した経験があります。
実際に不動産賃貸業をやってみて実感するのは、「ランニングコストが高い物件は不動産投資に向かない」ということです。
たとえば、月額の賃料が8万円の区分マンションで、毎月の物件管理費と積立金で3万円もかかっているようでは、全く話にならないということです。おそらく、全額キャッシュで物件を購入しても最終的に利益が出るかあやしいところです。
一方で、月額の賃料が8万円の戸建て物件であれば、空室でも物件管理費と積立金がかかりませんので、8万円の大部分が収益になります。しばらく収益をストックしておけば、空室になっても持ち出しにせずに安定経営ができる可能性が高いです。
ランニングコストが高い物件を購入した時点で、半分破綻していると考えるべし
メリット3.戸建ては、供給が少ないので空室リスクが低い(入居期間も長い)
戸建ての賃貸物件は、マンションやアパートに比べて入居期間が長くなる傾向があります。
その理由は、戸建て特有のメリットがたくさんあるからです。
- 騒音に悩まされる心配が少ない
- 子供が騒いでも周りに迷惑がかからない
- 賃料のわりに部屋が広い
- ペット可の物件ならペットが飼える
- 庭付きならガーデニングが楽しめる
- ファミリーなら子供の学校があるので引っ越ししずらい
- マンションやアパートに比べて愛着がわく
戸建て物件は、メリットがたくさんあって需要があるのに、賃貸物件が少ないです。そのため、いちど住んでもらうことができれば、引っ越しせずに長く住んでもらえるのが特長です。
したがって、戸建ては何もしなくても「差別化」が出来ているので、空室リスクが低いのです。
ちなみに、空室になるデメリットというのは、単に賃料が入らないだけではありません。空室になった部屋は、クリーニングやリフォームをした後に、賃貸業者に家賃数ヶ月の手数料を支払うことになります。たった2〜3ヶ月の空室であっても、実際の損失は6ヶ月の賃料に相当します。
退去せずにずっと住んでもらえる戸建て物件は、大家にとって「金の卵」
メリット4.投資物件としても自己居住用としても売れる(出口戦略が容易)
不動産投資には、一般的に「出口戦略」が必要になります。収益物件としておいしいところが過ぎたら、面倒な手間が掛かる前に売却して利益を確定するわけです。
戸建てのいいところは、色々な売り方があるところです。
たとえば、物件が「賃貸中」か「空室中」かによっても、売り方の選択肢はいくつかあります。
- 賃貸中の場合・・・不動産投資物件として売却する、または居住者に格安で売却する
- 空室中の場合・・・自分で住む人に売却する、更地にして土地として売却する
上の2つの場合について、詳しくご説明します。
賃貸中の戸建ての出口戦略
賃貸中であれば、賃貸物件としてオーナーチェンジで売却することを考えるのが普通ですが、別の方法もあります。
それは、「賃借人に譲る」という選択です。
もし長期にわたって住んでもらっているなら、物件を気に入ってくれていることでしょうし、思い出もあるでしょう。
これまでの感謝の気持ちを伝えつつ、相場よりも少し安くお譲りするというのは、最高の物件とのお別れの方法かもしれません。
空室の戸建ての出口戦略
もし物件が空室ならば、戸建て物件は実需向け(購入者が自分で住む)物件として売ることができます。
実需の場合は必ず内見をするので、空室であることが必要条件といえます。空室であることは、かえって好都合です。
もし建物の老朽化が激しければ、更地にして土地として売却することもできます。
以上のように、戸建てはアパートやマンションよりも柔軟な出口戦略を考えることができます。
一方で、アパート1棟やマンション1棟を売却するためには、別の投資家を探さなければなりません。そうカンタンに売れるものではありませんね。流動性がない物件を焦って売ろうとすれば、足元を見られて本来の価値よりも安い値段でしか売れません。
戸建ては自分で住む人にも売れるのでリスクが低い。1棟物件を売れる相手は投資家だけなので、焦って売れば足元を見られる。
メリット5.築40年、50年でもリフォームすれば貸すことができる
築40年の戸建てというとボロ家を想像されることが多いようですが、リフォームさえすればまだまだ何十年も住むことができます。
鉄筋コンクリートの建物は老朽化するとメンテナンスが困難になる
鉄筋コンクリート(RC)や鉄筋鉄骨コンクリート(SRC)の場合は、配管などがコンクリートに埋められています。老朽化によって破損した場合には、最悪の場合コンクリートを ”はつって” 破損個所を特定・修繕する必要があります。
そのため、コンクリート作りの建物は、老朽化するにつれてメンテナンスのコストが増大していきます。
ですから、最終的に建て替えが現実的にできなず、メンテナンスもできなくなったマンションは、廃墟になる可能性すらありますね。
ちなみに、マンションの専有部分の修繕は所有者の負担になります。もし配管の破損が専有部分だった場合には、かなりの費用が必要になります。
木造の戸建ては老朽化してもメンテナンスが容易
戸建ては基本的に木造なので、マンションに比べればメンテナンスが容易で費用も少なくて済みます。
購入時にボロ家の築50年だとしても、水回りを中心にリフォームすれば、だいたい200万円くらいで十分に住める状態になります。
本ブログ管理人も、築40年以上の戸建てを購入して既に5年以上住んでいます。
購入時に200万円ほどかけてリフォームしました。それ以降で修繕したのは、庭の水道管だけ(費用5万円)です。
木造はメンテナンスをすれば、何年でも住むことが出来る
まとめ
本記事では、築古戸建て物件が不動産投資の初心者におススメである理由についてご説明しました。
築古戸建ては、賃貸経営の観点からみて破綻するリスクが極めて低いので、初心者におすすめの物件です。
初めての賃貸経営をするなら、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
- 一戸建ては、価格下落リスクが低い
- 一戸建ては、ランニングコストが低い
- 一戸建ては、空室リスクが低い
- 一戸建ては、売りやすい(出口戦略)
- 一戸建ては、リフォームをすれば何年でも住める