書評

【書評】資産運用のバイブル『インデックス投資は勝者のゲーム ─株式市場から利益を得る常識的方法』

本記事でご紹介する本のタイトルは、コチラです。

出版社 :パンローリング株式会社

著者  :ジョン・C・ボーグル (著)

タイトル:インデックス投資は勝者のゲーム ──株式市場から利益を得る常識的方法

著者情報

著者のジョン・C・ボーグルは、プリンストン大学で書いた論文でインデックス運用のアクティブ運用に対する構造的な優位性について説きました。

インデックス運用とアクティブ運用とは?

インデックス運用とは、インデックス(指数)に連動する運用スタイルを指します。 例えば、日本株の代表的なインデックス(指数)である日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)などに連動した値動きをするような運用をします。従って、市場の成長に連動した収益が期待できるのが特徴です。

それに対して、アクティブ運用は、上で説明したインデックスの収益を上回ることを目標として、個別の銘柄に投資を行う運用スタイルを指します。

後になってジョン・C・ボーグルは、運用資産額が五兆ドルを超える世界最大の投信会社であるバンガードグループの創業者であり、自らの主張の正しさを現実の世界で証明しました。

インデックスファンドを個人の投資家が購入できる環境を作った「インデックスファンドの父」とも言われています。

本書は、そのボーグルが主張するインデックス運用の優位性について、とても分かりやすく解説した、まさに資産運用の教科書ともいえる一冊です。

本書の特徴は?どんな人におススメの本?

わたしは、本書をすべての投資家に読んで欲しいと考えています。

まず、初心者におすすめしたい理由は、以下の2点です。

  1. 著者の主張がハッキリしていてわかりやすい
  2. それゆえに、理論を理解すれば誰でも実践できる

更に中級者以上の投資家におすすめしたい理由は、以下の2点です。

  1. 世の中のほとんどの投資家が市場の平均リターンを超える成績をあげられていない
  2. 継続して市場の平均リターンを超える成績をあげ続けることはさらに困難である

世の中のすべての投資家が本書を読んで理解し、すぐにでも実践してみてほしいです。

管理人ヤギ

わたしは、この本を読んで「つみたてNISA」を始めたよ!!

本書で印象に残った内容のご紹介

続いて、本書のなかで特に印象に残った部分について、本文を引用しつつご説明します。

勝者のゲームを敗者のゲームにしてはならない

本書の序文ですでに、理論の本質ともいえる「投資で勝つ方法」が述べられています。

【本書引用】

投資の成否を決めるのは、すべて常識である。オマハの賢人、ウォーレン・バフェットが述べているとおり、それはシンプルだが、容易なことではない。簡単な計算で分かることであるし、歴史がそれを証明してもいるが、株式投資で成功する戦略とは、アメリカの上場企業の株式すべてを、極めて低いコストで保有すること、である。そうすることで、これらの企業が配当や利益成長というかたちでもたらすリターンのほぼすべてを獲得することができるのだ。

この戦略を実行する最良の方法も極めてシンプルだ。 市場全体のポートフォリオを有するファンドを取得し、永遠に持ち続けることである。

本書 序文より引用

【本ブログ管理人の解釈】

上の引用文の中で重要なポイントは以下の3つの文章です。

  1. 株式投資で成功する戦略とは、アメリカの上場企業の株式すべてを、極めて低いコストで保有すること
  2. 企業が配当や利益成長というかたちでもたらすリターンのほぼすべてを獲得することができる
  3. 市場全体のポートフォリオを有するファンド(=インデックスファンド)を取得し、永遠に持ち続けること

つまり、資産運用の勝者になるための結論は

「市場全体に連動するインデックスファンドのなかで、最も運用コストの安い銘柄を買って、永久に保有すること」

ということになります。

引用文にもあるように歴史的にも過去のデータもこれを証明していて、いまや「インデックスファンドでの運用が勝者のゲーム」であるという主張は揺るぎないものになっています。

問題があるとすれば、「このシンプルな方法を忠実に実践できる投資家が、非常に少ない」ということになります。

どうしてほとんどの投資家は勝者のゲームを敗者のゲームにしてしまうのか

株式市場全体の成長に対して、なぜほとんどの投資家が市場全体のリターンよりも低い利益しか上げることができないのか、ということについて以下のように書かれています。

【本書引用】

信託報酬、ポートフォリオの入れ替えにかかる費用、証券会社の手数料、購入時手数料、、広告費、運営コスト、、弁護士費用、これらすべての金融仲介業者に支払うコストを差し引く時点で、投資家が獲得するリターンは、まさにそのコストの総額に等しい額だけ市場リターンに及ばなくなるのである。これこそが、簡潔にして、否定できない投資の現実である。

本書 第4章より引用

【本ブログ管理人の解釈】

上の引用文を簡単に言い換えると、

金融仲介業者(銀行、証券会社、資産運用会社、その他間接的な業者)に支払う様々なコストのせいで、投資家は市場平均のリターンを受取ることができない(=敗者になる)

ということになります。

それでは、なぜ私たち投資家は、金融仲介業者に余計なコストを払い続けているのでしょうか?

その原因は以下のようなことにあります。

  1. ほとんどの投資家が、「余計なコストを支払っているという事実」を認識できていないから
  2. この事実を投資家が理解することは、金融仲介業者の利益を減らすことになるから

つまり、投資家が「余計な運用コストを支払っているという事実」を認識することは、金融仲介業者の首を絞めることになります。

従って、あらゆる銀行や証券会社のような金融仲介業者は、「株式の不必要な売買をするように仕向けたり」、「まるで市場リターンを確実に上回る素晴らしいファンドであるかのように説明する」ことによって、わたしたち投資家に余計なコストを支払わせることに注力するわけです。

以上が、ほとんどの投資家が「敗者のゲーム」を続けてしまう原因であると、本書を読んで理解しました。

もっともコストの低いファンドに集中せよ

次に、アクティブファンドがインデックスファンドに勝てない理由について考えてみましょう。

本書から、以下の文章を引用します。

【本書引用】

本書 第5章より引用

投資信託の世界で確実なことがあるとすれば、それは経費率こそがより良い判断の一助になるということだ。検証されたあらゆるデータや期間において、コストの低いファンドはコストの高いファンドよりも優れたパフォーマンスを示している

(中略)

投資家は、経費率をファンド選択の第一の基準とすべきである。経費率はもっとも信頼に足る、パフォーマンス予測の材料であり続けるのだ。

本書 第5章より引用

【本ブログ管理人の解釈】

図表5-1にあるように、コストが低いファンドほど、投資家が手にする純リターンと累積リターンが高いことがわかります。

つまり、ファンドの優劣は、長期的な視点で見れば、コスト(特に経費率)によって決まってくるということが過去のデータとしても示されていることになります。

投資信託のコストとは?
  1. 投資信託の購入時にかかる購入時手数料
  2. 運用期間中に毎年かかる信託補修
  3. 投資信託の売却時にかかる信託財産留保額

そして、コストの低いファンドとは実際どんなファンドかというと、市場全体の株式を買って余計な売買などを一切しない「インデックスファンド」ということになります。

アクティブファンドは一般的に優秀(であるといわれる)ファンドマネージャなどが、市場平均のリターンを上回ることを目指して分析したり、保有している銘柄の入れ替えなどをしていくために、インデックスファンドよりもコストがかかります。

しかしながら、そのコストに見合うだけの成果をあげるファンドマネージャは、以下のようにほとんど皆無である、というのが事実です。

1970年以降、米国の355本の投資信託のうち、年に1%以上市場に買ったのは10本しかありませんでした。

以上を踏まえると、資産運用で勝者になるためには、以下の2つが重要にということがわかります。

  1. インデックスファンドを購入すること
  2. コストが低いファンドを購入すること

平均回帰

最後に、投資信託を長期保有するべき理由について、以下の引用を踏まえてご説明します。

【本書引用】

※下の図は、すべてのアクティブファンドのリターンを2006年~2012年と2011年~2016年の連続する5年間で比較したもの。

※各ファンドの2006年~2011年のリターンを最高~最低の5つに分類したのが、図表の左半分で、その5つに分類したファンドが次の5年でどのくらいのリターンを得ることができたかが、図表の右半分に示されています。

メッセージは明白だ。つまり、平均回帰(RTM)ーー業界水準を大幅に上回る業績を残したファンドは平均以下へと落ちる傾向ーーは投資信託業界においては健在だ、ということである。

(中略)

要するに、直近のパフォーマンスに従って投資信託を選択することはあまりにも危険であり、たいていの場合、インデックスファンドを買えば容易に獲得できる株式市場が達成するリターンに及ばない結果となる。

本書 11章より引用

【本ブログ管理人の解釈】

上の図表が示すように、優秀であると言われるファンドマネージャーがいくら頑張っても、その運用成績はほぼランダムであるということです。

つまり、ファンドの直近の運用成績を見ても、未来の運用成績を予測することはできず、以下のようなことが統計データからわかります。

  1. 短期的な運用成績はランダムである
  2. 長期的な運用成績は平均に回帰する

つまり、上の2つのことが示すのは、一度保有した投資信託を永久に保有し続けることで市場全体のリターンに近い成績をあげることができる、ということです。

まとめ

本書は、すべての投資家にとって有益な内容になっていて、まさに資産運用のバイブルといえる1冊だと感じました。

日本政府の方針を見ても、投資信託による資産運用を推進していることは明らかです。

自分の将来を変えうる1冊が、たった2千円以下で手に入ります。

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